日々の記録

黒ナンバーの点呼は一人でどうやる?

「相手がいないのに点呼とは?」という疑問から、実際に何を確認し何を残すのかまでを順に整理します。

公開:2026年8月6日 最終更新:2026年8月6日 出典:国土交通省

この記事の内容

  1. 一人でも点呼は必要です
  2. 何を確認して、何を記録するのか
  3. 業務前と業務後、2回あります
  4. 日常点検(14項目)との関係
  5. 記録の保存期間
  6. よくある質問

1. 一人でも点呼は必要です

「相手がいないのに点呼とは?」というのが、最初にぶつかる疑問だと思います。 結論から言えば、一人事業主でも点呼は必要です。

貨物軽自動車運送事業の届出をしている一人事業主は、実質的に次の三役を同時に担っています。

役割点呼における立場
事業者点呼の実施体制を整え、記録を保存する責任者
貨物軽自動車安全管理者点呼を行う
運転者点呼を受ける

つまり「自分で自分に点呼をして、自分で記録して、自分で保存する」という運用になります。 形式的に感じるかもしれませんが、これは監査や元請の審査で実際に提示を求められる記録です。

2. 何を確認して、何を記録するのか

点呼で確認する中心は、安全に運転できる状態かの一点です。

アルコール検知器を使用する場合は、その測定値も記録に残します。 検知器の使用要否・機器の要件は事業区分によって定めが異なるため、 自身の事業でどこまで求められるかは管轄の運輸支局にご確認ください

3. 業務前と業務後、2回あります

点呼は業務の開始前終了後の2回行います。 片方だけの記録になっているのは、監査で指摘されやすい典型的なパターンです。

主な確認内容
業務前点呼酒気帯びの有無、健康状態、日常点検の実施、運行上の指示
業務後点呼酒気帯びの有無、運行の状況、車両の異常の有無、事故・違反の有無
ありがちな失敗:朝は記録しているが、帰着後は疲れていて忘れる。 翌朝まとめて書こうとして、そのまま抜ける。業務後点呼の欠落は、点呼記録の不備として指摘されます。

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4. 日常点検(14項目)との関係

点呼で「日常点検を実施したか」を確認しますが、日常点検そのものは 道路運送車両法にもとづく別の義務です。点呼記録とは別に、点検の記録も残します。

国土交通省の日常点検表の例に沿うと、代表的な点検項目は次のとおりです。

区分点検項目
ブレーキペダルの踏みしろ・効き、ブレーキ液の量、パーキングブレーキの引きしろ
タイヤ空気圧、亀裂・損傷・異常な摩耗、溝の深さ
灯火灯火装置・方向指示器の点灯/点滅、レンズの汚れ・損傷
原動機ウインド・ウォッシャ液の量、冷却水の量、エンジン・オイルの量、かかり具合と異音、ファン・ベルトの張り・損傷
その他ウォッシャの噴射状態、ワイパーの拭き取り

毎日すべてを厳密に測るというより、異常がないかを目と手で確かめて記録に残すのが実務です。 走行距離や使用状況によって点検の頻度が変わる項目もあるため、車両の取扱説明書もあわせて確認してください。

5. 記録の保存期間

点呼記録簿・日常点検表は、監査や元請審査で提示を求められる書類です。 点呼記録は1年の保存が求められます。運転日報も1年、事故記録と指導監督の記録は3年と、 種類ごとに期間が異なる点に注意してください。

実務的なコツ:点呼は「毎日・短時間・確実に」が要件です。 紙の様式に手書きすると1回2〜3分かかり、疲れている日ほど飛ばします。 入力項目を絞って数タップで終わる形にしておくと、続きます。続かない記録は、無いのと同じです。

6. よくある質問

点呼を忘れた日はどうすればいいですか?

後から実施していない点呼を記録することはできません。事実と異なる記録は、 発覚した場合により重い問題になります。忘れた事実を残し、翌日以降に確実に実施する運用へ切り替えてください。

家族に点呼をしてもらってもいいですか?

点呼を行うのは貨物軽自動車安全管理者です。家族を安全管理者として選任している場合は、その方が行います。 選任していない家族が行っても、要件を満たす点呼にはなりません。

アルコール検知器は必ず必要ですか?

機器の使用要否は事業区分によって定めが異なります。自身の事業でどこまで求められるかは、 管轄の運輸支局にご確認ください。使用する場合は、測定値を記録に残します。

点呼記録は紙でないといけませんか?

記録として必要な項目が満たされ、求められたときに提示できる状態であることが要点です。 電磁的な記録による保存の可否・要件については、管轄の運輸支局にご確認ください。

続かない記録は、無いのと同じ

紙の様式に手書きすると1回2〜3分かかり、疲れている日ほど飛ばします。入力を数タップに絞れば、続きます。記録は端末内にのみ保存され、サーバーには送信されません。

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出典

  1. 国土交通省「改正貨物自動車運送事業法(令和7年4月1日施行)について」 https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000014.html
  2. e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/
  3. 国土交通省「統計情報(自動車関係)」 https://www.mlit.go.jp/statistics/details/jidosha_list.html